DateSealed
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なぜ DateSealed を作ったのか ― 開発者より

公開 2026-11-03 · 筆者 中澤祐樹(ライトセンド株式会社) · 英語で読む

DateSealed は、文章や写真、ウェブページが「いつ存在していたか」を記録する無料のツールです。作ったのは私、中澤祐樹です。この文章では、なぜ作ったのか、作るときに何を決めたのかを書きます。

きっかけは物件写真でした

私は不動産会社を経営していて、物件の写真を撮って公開しています。写真を改ざんされたり、他のサイトに盗用されたりしたときに、「先に存在していたのは自分の写真だ」と示せるようにしておきたい。それが出発点でした。

写真の元データやブログの公開日は手元にあります。けれど、それはどれも自分で書き換えられるものです。相手も同じ画像を持っていれば、同じ日付を主張できます。必要なのは、自分以外の誰かが、後から書き換えられない形で書き留めた日付でした。

既存の手段を調べました

まず、日本で使えるものを調べました(2026 年 11 月時点)。

  • 公証人の確定日付。 1 件 700 円。電子版もありますが、対象はテキスト・PDF・XML の 10MB 以下のファイルで、手続きは平日です。
  • 文化庁の第一発行年月日等の登録。 1 件 3,000 円。その日に公表されたと推定される効果があり、1 作品ごとに書面で申請します。
  • 総務大臣が認定したタイムスタンプ。 制度上の位置づけがあるのはこれです。料金は法人向けが中心でした。
  • ブロックチェーンを使う記録サービス。 日本で見つかったのは法人向けや有料のものでした。
  • カメラ内署名(C2PA)。 撮影時に写真へ署名します。これは「どこから来たファイルか」を示すもので、「いつ存在したか」とは別の問いです。

どれも役に立ちますし、本気で守りたい 1 点にはこれらを使うべきです。ただ、次々に増える写真や記事に、毎回手続きや費用をかけるのは現実的ではありません。私が欲しかったのは、無料で、登録が要らず、何もアップロードせず、記録が運営者にも書き換えられない場所に残り、WordPress なら公開のたびに自動で付くものでした。見つからなかったので、作りました。

作るときに決めたこと

中身は受け取らない

DateSealed が受け取るのは、ファイルや文章の SHA-256 ハッシュ(64 文字の指紋)だけです。ハッシュはブラウザの中で計算するので、写真や原稿はあなたのパソコンから出ません。未発表の作品こそ記録したいのに、記録のために作品を預けるのでは本末転倒だからです。

私を信用しなくても確かめられるようにする

記録には 2 つの日付を付けます。1 つは DateSealed の時刻署名局が署名する RFC 3161 の時刻署名で、すぐに返ります。もう 1 つは OpenTimestamps を通じてビットコインのブロックに刻まれる記録で、数時間で確定します。

1 つ目は、私を信用できる範囲でしか信用できません。2 つ目は、私にも書き換えられません。ビットコインに刻まれた後は、DateSealed が無くなっても、証明ファイル(.ots)とビットコインの台帳だけで日付を確かめられます。記録ページには、自分のパソコンで検証するためのコマンドも載せています。

時刻署名のルート鍵は、自分のパソコンで作り、パスフレーズで暗号化して保管しています。サーバーに置いてあるのは、時刻署名用の鍵だけです。

記録は消さない、書き換えない

管理者の画面にも、記録を消したり、ハッシュや時刻を変えたりする機能は作っていません。台帳は、運営者が手を入れられないことに意味があるからです。記事を更新したときも、前の記録を上書きせず、新しい記録を追加します。WordPress プラグインもこの考え方で作りました。

できないことを先に書く

記録が示すのは「このハッシュに対応するデータが、その時刻に存在していた」ことだけです。あなたが作ったこと、権利を持っていること、内容が正しいことは示しません。法的効力も保証しません。 期待を間違えると困る人が出るので、サイトのあちこちにそう書いています。

集めるものは正直に書く

濫用を防ぎ、回数制限をかけ、不具合を調べ、利用状況を知るために、利用のたびに IP アドレスなどを記録しています。広告には使わず、売りません。IP アドレスやホスト名はこのサーバーに 30 日置き、その後は運営者が管理する別の保管装置へ移して最長 13 か月保管し、それを過ぎたら末尾を削って統計だけに残します。詳しくは規約・プライバシーに書いています。

誰でも使えるように

無料で、登録は要りません。画面は 20 言語で使えます。写真に記録日のバッジを焼き込む機能、公開済みのページの URL を記録する機能、API、WordPress プラグインも用意しました。WordPress プラグインは API のページからダウンロードでき、wordpress.org への掲載は審査中です。

聞かせてください

どこで使いにくいか、次に何ができてほしいかを教えてください。とくに、「どちらが先か」で困った経験のある写真家やブロガーの方の声を聞きたいと思っています。連絡先はページの下にあります。

この記事の元になった記事(筆者のブログ): https://nkzw.jp/2026/11/02/datesealed_free_publication_date_record_2026/

DateSealed を使ってみる

文章を貼るか、ファイルを選ぶだけです。ハッシュはブラウザの中で作り、何もアップロードしません。

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